製造業におけるeコマースの現状と課題
あらゆる産業で急速にデジタル化が進む中、製造業も例外ではありません。
特に取引のデジタル化であるeコマースの市場規模について、2017年のB2B-EC市場規模としては製造業全体で164兆円、その中で「産業関連機器・精密機器」「電気・情報関連機器」を見ても47.7兆円、44%のEC化率となっております[注1]。
これらの数字には旧来のEDI取引も含まれておりますが、オープンなECサイトだけ見ても年々増加傾向にあり、デジタル化が急速に進んでいることは言うまでもありません。
また工場における生産設備や部品、消耗品などの間接材は、種類が膨大で購買時期や頻度が一定ではないため、eコマースが適していると言われております。
事実、生産財や間接材を取り扱うネット商社が近年大きく売上を伸ばしております。
しかし購買者である工場や装置メーカーの方々の声を聞いてみると、「ECサイトは高い」、「ECサイトで買うとメーカーサポートを受けられず不安」、「請求書払いなど従来の取引方法が使えず不便」、「複数のサイトを見る必要があり業務が逆に煩雑になる」、「EDIは大企業向けのシステムであり中小企業にはコスト高」などの声が多く聞かれました。
一方で売り手であるメーカーや商社からも「ECサイトに商品を卸しているが、購買者の情報を把握できない」、「自社でECサイトを運営したいが、サイト構築のノウハウがなくゼロから作るにはコストがかかりすぎる」、「過去に失敗しているので不安」などの声が多く聞かれました。